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お名前
びん子
コメント
**ものすごい長文です!お急ぎの方は読み飛ばして下さい。**
はじめまして。ろびんの母のびん子と申します。以前健太ママさんが投稿された「真珠性中耳炎についての情報を集めています!(https://www.frebull.info/bbs/4213)」というトピックを昨日拝見し、同じ病気で悩んでいるぶひちゃんが結構たくさんいるのだとわかり、私のささやかな情報でもお役に立てるのならと新トピを上げることにしました。まず私の娘犬のプロフィールです。
名前:ろびん
年齢:9歳7ヶ月
性別:女性
犬種:フレブル・ブリンドル
国籍:カナダ
性格:無口。猫好き犬嫌い。1日23時間睡眠は欠かせません。分離不安を引きずった超親ばかの母がいます。
私がろびんを養子に迎えたのは彼女が5歳のときだったので、それ以前の健康状態等は詳しくわからないのですが、基本的に問題なく、ブリーダーさんのもとですくすく元気に育ってきたのだと思います。
そんなろびんが初めて大病を患ったのは、2017年3月、彼女が7歳のときでした。最初に気づいた症状は、ハァハァしながらニコニコしてるときに顔の右半分だけニコニコしてなくて、「あれ?」と思いました。でも一時的なものなのかもと思い、その日の夜くらいまで様子を見ていたのですが、全くもとに戻らず、右目も閉じることができないようでした。これはマズいと思い、すぐかかりつけの病院に連絡し連れて行ったのですが、その段階ではまだ他の症状がなく、耳の中もそんなに汚れていなかったようで、もう少し様子を見て下さいと言われ、すごすごと退散しました。でも2〜3日経っても良くならないどころか、斜頸をしてきました。そこで同じ病院に電話をしたところ、専門医(脳神経外科医)のいる病院へ行くようにと指示されました。その時は脳腫瘍の疑いも消えていなかったので、脳神経外科へということになったのだと思います。そこで一通りの問診等が行われ、耳鏡で問題の右耳も見てもらいましたが、外耳もきれいで、特に問題はありませんでした。なので、より詳しい検査のため1日入院し、MRIを受けることになりました。結果は中耳炎。治療方法は全耳道切除手術かオトスコープを使った耳洗浄。その段階で「耳をなくすなんてとんでもない!」と母は思ってしまい、耳洗浄の道を選びました。洗浄を行うのは皮膚科・耳鼻科のため、また別の専門医へ。そちらで無事耳洗浄が終わり、多少の斜頸と右顔面麻痺による右目常時開きっぱなしという後遺症は残りましたが、命に別状はなく、一安心して約一年何事もなく生活していました。
そして昨年2018年6月に、元気にしていたと思ったら急に3回ほど嘔吐し、それからみるみるうちに斜頸、眼振、ナックリング等の症状が出始めました。その約1ヶ月ほど前に耳洗浄をした病院で検診をしてもらい、中耳炎は治りましたとのお墨付きを頂いていたばかりだったので、「まさか他の病気?脳腫瘍?!」と完全にテンパり、そっこーでかかりつけに連れて行くと、また同じ脳神経外科へ送られました。ただ、このときと2017年のケースで違ったのは、担当をした脳神経外科医が違う先生だったということです。
以下、検査及び手術のため入院させる前日までのろびんの症状です(時系列):
1, 嘔吐
2, 斜頸、右へ右へ傾いて歩く
3, 首を下に向けたがらない
4, 目に全く覇気がない
5, 食事ができなくなる(ソフトフードもだめでした)
6, ナックリング、眼振が始まる
7, 時折ビクンっと体を震わせる(一瞬なのでてんかん発作などの痙攣ではありません)
8, 歩くことはおろか立ち上がれなくなる。四肢に力が入らず、床に置くようにして立ち上がらせると、ムササビが飛んでるときのような状態でベチャっと床に倒れてしまう。
この状態で検査、場合によっては手術のため入院しました。「なんでそんなになるまで待ったんだ!」とお叱りを受けるのはごもっともだと思うのですが、実は1から8が起こるまで1週間もかかりませんでした。ですので、本当に数日の間に後一日生きられるかどうかくらいな状態まで悪化し、入院したという状況でした。
入院した当日に全身麻酔でCT。次の日また全身麻酔でMRI。そして出た結果が先天性の真珠腫性中耳炎と、髄膜炎を併発しているというものでした。時折ビクっと震えるのは髄膜炎の典型的な症状です。「ここまで酷いケースは見たことない」と医者に言われるくらい進行しており、肥大化した真珠腫が周辺組織や骨を破壊し、脳を圧迫して髄膜へ浸潤している状態でした。真剣に自分を撃ち殺してやりたくなりました。でも私が自分にキレてもろびんは良くならないので、治療方法、予後、QOLについて医師に聞いたところ、治療方法は手術しかないということ、再発の可能性を除けば予後、QOLともに症状が出る前の状態まで回復するでしょうと言われました。手術をせずに症状を緩和させる方法はあるのか聞いたところ、「ありません」ときっぱり言われました。そして、今でもはっきり覚えているのですが、その医師から「手術をしなければ確実に死にます。でも手術をすれば、再発の可能性はあれど、それまでは今までどおり元気に暮らせます。」と断言され、そこまで言うならお願いしますと手術を決めました。
ただ、その後も自分の決断に自信が持てませんでした。術後すぐ再発したらどうしよう、術後もほとんど生きられないかもしれないのに手術をさせるなんて私のエゴなんじゃないか、9歳目前のもう若くない体に酷な決断を下してしまったのではないか。毎日そう思いながら、結局答えは出ないまま手術決行となりました。入院後4日が経過してました。ろびんはその間食べることも立ち上がることもできず、すでに2回やってる全身麻酔をもう1回されて2時間の手術を受けました。手術後執刀医(担当の先生とは別の医師)から連絡があり、無事成功しましたよと言われ、できる限り真珠腫を除去したので、願わくはこのまま何年も再発しないことを祈りましょうと言われたときは、なりふり構わず電話口でギャン泣きしました。
さて、入院中毎日様態を聞くために病院へ電話をしていたのですが、手術の次の日に電話をすると、担当の看護師から驚愕の報告がありました。様態はどうでしょうかと聞いたところ、「あー順調に回復してますよー。今日はご飯もゆっくりですが自分で食べられましたし、短時間ですがお散歩にも行けましたー。」と。私は思わず「散歩〜?!」と明石家さんまみたいな声で質問してしまいました。待て待て、昨日手術したばっかだよね?数日前は死ぬ間際くらい危険な状態だったよね?!どこで何を見逃した?!と思ったのですが、順調に回復しているというのは事実だったようで、ろびんはその数日後ふつ〜に歩いてうちに帰ってきました。
その時考えたのですが、私が抱いていた「手術をさせるなんて私のエゴで酷なんじゃないか」という問いに、ろびん自身が答えてくれたんです。たぶん犬たちの生命力や回復力は、人間の比じゃないくらい、私達には想像もつかないほど強力なんだと思います。もちろん年齢やその他諸々の個体差は当然ありますが、犬は強し!たかが人間の私には死を覚悟して手術受けた次の日に散歩なんて絶対行けません。ろびんに「今までに全身麻酔何回やったと思ってんの?手術ごときでビビってんの母ちゃんくらいだよ」って言われたような気がしました。あー情けない…。
また、再発まであまり時間がかからないかも、と悩んでいましたが、それこそ私のエゴで、人間からしてみたら数ヶ月、数年程度の時間でも、犬時間に換算すれば軽く数十年に相当する時間なんですよね。今ろびんは再発の兆候もなく、元気に術後8ヶ月過ごしてくれてます。私にとってはたった8ヶ月でも、彼女にとっては約56ヶ月=4年半以上になります。なので、たかが人間の母は、これからもろびん様に毎日の生活を楽しくお過ごしいただけるよう、ささやかながらお手伝いをするほうがよほど大事だと、今ではそう考えるようになりました。
私は結果的に以上のような決断をし、今の心境にたどり着きました。ただこれが正しいかといえば、そういうわけではないと思います。語弊があったかもしれませんが、高齢のワンコに手術や全身麻酔を受けさせるのは、やっぱり勇気がいるし可愛そうだと感じるものだと思います。それで手術はしない、治療は緩和治療という結論に至ったとしても、それは立派な決断なのだと思います。たぶん私のように悩みに悩むご家族の方はたくさんいらっしゃるでしょうし、まったく自然なことだと思います。とことん悩んで、担当のお医者様ともじっくり相談し、大切な家族のための最良の選択をなさるのが一番だと思います。一日でも長いワンコとの幸せな生活がみなさんに訪れますように。
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